アルミニウム合金は、自動車の車体で多く採用されている事例があり、ここでは塗装前の下地処理が求められています。
下地処理は、主に塗装との密着性向上とアルミニュウムの塗膜下腐食(糸状腐食)などの腐食防止の役割を果たします。
無機の下地処理には、化成処理(クロメート処理、りん酸亜鉛、Zr処理など)や陽極酸化処理(PAA,CAAなど)んどがあります。有機の下地処理には、ウォッシュプライマーやカップリング剤の処理があります。
化成皮膜処理は、主に表面の形態によるアンカー効果で密着性を確保します。
クロメート処理は、塗膜との密着性と耐食性に優れ、過去からの実績がある処理です。一方で、「六価クロムを使用する」「鋼材とアルミニウムの両方を使用する複合ボディでは、事前の前処理段階で処理することが必要で、プロセスが複雑になりコストアップに繋がる」といった課題があります。
リン酸亜鉛処理は、鋼材でも処理の実績があり、先ほど述べた複合ボディでも問題がありません。しかし、「鋼材に比べて皮膜形成が難しく、リン酸亜鉛微粒子の溶液にプリディップするなどの表面調整が必要である」「スラッジが発生する」といった問題がある。
Zr処理は、最近注目されている処理です。厚さが十nm程度の薄い皮膜が生成されるのでスラッジの発生量が減ります。ただし、「鋼材での実績がまだ不十分」と言われています。
アルミニウム合金の塗装で下地処理が求められる背景については以下を参照してください。
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